近年、海外のデザイナーによる別荘建築が増えています。軽井沢でも、海外デザインによる別荘プロジェクトが進行しています。前回のPart 1でお話を伺った建築ディレクターの天木さんは、現在、浅間テラスで進行中の3つのプロジェクトに携わっています。海外デザイナーの協働について、それぞれのプロジェクトの具体例と共にお話を伺います。―現在、天木さんは軽井沢で、海外デザイナーによる3件の別荘建築に携わっていらっしゃいますよね。どのようなプロジェクトでしょうか。「1軒目は施主様が『世界の最高峰の建築家と一緒に建てたい』というご希望があり、南アフリカの世界的建築事務所のSAOTAに依頼しました。SAOTAは世界70ヵ国以上でプロジェクトを手掛ける国際的なアーキテクチャスタジオで、“大胆な自然×革新的建築”を融合させた独自の世界観で知られています。世界の富裕層が別荘建築の指名をする、憧れの設計事務所でもあります」―1件目のコンセプトや特徴を教えてください。「“過去と現在の美しいハーモニーの上に成り立つ融合建築”。伝統を尊重しつつ、現代的で時を超えた優雅さを実現するというものです。ここでの「過去」や「伝統」とは、別荘建築のあるべき姿と海外デザインのもつハーモニーを融合させるという意味です。施主様が日本の別荘にありがちな典型的なデザインは好まず、あえて軽井沢では珍しいRC構造を希望されたので、柔軟に対応してくれる業者の選定などでかなり苦労しました。特徴は、日本の建築では各室ごとに用途や設えを考えることが多いですが、この海外建築では空間全体を同じトーンで、建物全体でコーディネートしています。また、玄関の敷居がなくエントランスよりオープンな雰囲気を実現。日本の建具のサイズに合わない設計のため、海外のドアなどを積極的に取り入れて海外らしさを表現しています」―2件目のプロジェクトについてはいかがですか?「KantorGG というインドネシア・ジャカルタを拠点に活動する国際的建築・デザインスタジオが手掛けています。大胆な構造表現と繊細な空間演出をあわせ持つスタイルが特徴です。比較的若いスタジオながら、その挑戦的な姿勢と完成度の高い作品によって、国際的なプロジェクトやコラボレーションが急増している事務所です。こちらのプロジェクトでは、弊社で日本チームの設計担当として加わっています。海外のモデルをベースに、予算内で実現できるよう設計変更を行い進んでいます。これがうまく実現すれば、一つの実現しやすいモデルケースになるのではないかと思います」―1件目と2件目は来年春に完成予定だそうですね。3件目はどのような計画ですか?「こちらはアメリカ・カリフォルニアのKAA DESIGNが手掛けています。今回は『Forbes』の“America's Best-In-State Residential Architects 2025”(「アメリカ州別・最高評価の住宅建築家 2025」)に選出されたデザイナーDuanにより設計されています。日本ではカリフォルニアデザインというと、ウッドを使ったサーフスタイルのようなイメージがありますが、実は、それは間違ったイメージなんです。このプロジェクトでは真のカリフォルニアスタイルを実現すべく、内外を一体的に使い、外光を室内と捉えた使い方ができる空間を目指しています。“森林浴ハウス”というコンセプトで、中にいても森林浴ができるような設計です。全体的には木造、黒い木造で、そこにコンクリートをアクセントに取り入れています。今、海外デザイナーが基本設計を終えたところで初夏頃の工事開始を目指しています」―3件目のプロジェクトに地元・軽井沢からは、ゼオリゾートが加わる可能性もあると聞いています。海外デザインとゼオリゾートのコラボについて、どのようにお考えですか。「ゼオリゾートさんの今後展開予定の構想と柔軟性、海外建築に積極的な姿勢が海外の建築家の求める施工力に大変マッチすると感じています。今後様々な形にて是非、海外建築家による軽井沢のプロジェクトでご一緒できたらと思います。」―世界的に話題のデザイナーや設計事務所が手掛ける別荘建築と軽井沢がどのように融合するのか、今からとても楽しみです。天木さん、2回にわたり貴重なお話をありがとうございました。