西軽井沢とも呼ばれている御代田町に、惜しまれつつ閉鎖となったウイスキー蒸留所がありました。この場所で製造されていたウイスキーは、その名も「軽井沢」。今でも高値で取引され、世界でもっとも入手困難なウイスキーとも言われています。そんな銘酒が生まれた蒸留所は、10年ほど前にアートと食が調和する複合施設「MMoP」に生まれ変わり、賑わいを見せています。幻となった蒸留所の歴史と、新たな形で生まれ変わったスポットの魅力に迫ります。軽井沢のウイスキーがジャパニーズウイスキーを牽引1955年、大黒葡萄酒工場としてスタートした軽井沢蒸留所。1962年に三楽オーシャンの傘下となり、オーシャンウイスキーを製造するようになりました。当時はニッカウヰスキーなどに並ぶ日本有数のウイスキーとしてブームを牽引したといわれています。その後、社名がメルシャンに変更となり、1976年にはシングルモルトウイスキーを日本で初めて発売。2001年にはインターナショナルワインアンドスピリッツコンペティションで金賞を受賞し、日本のウイスキーの名を世界へと広める存在となりました。ところが、ウイスキーブームの衰退と共に蒸留所も閉鎖を余儀なくされます。2012年のことでした。樽貯蔵庫をリノベした美術館もあった ウイスキー蒸留所の敷地内にあった樽の貯蔵庫の大きな建物を生かし、1995年、アートと自然と食が融合したミュージアムパーク「メルシャン軽井沢美術館」が誕生しました。フランス人建築家ジャン・ミシェル・ヴィルモット氏が設計し、当時としては画期的なリノベーションでした。美術館はフランス国立美術館連合の協力により、モネやピカソ、ルノワールなど名画が並び、多くの人が訪れました。16年間で企画展は29回にわたり開催され、来館者はのべ90万人を超えましたが、残念ながら2011年に閉館となりました。その後、美術館や蒸留所の建物は2016年初頭までに解体されましたが、一部は残され、当時の面影を伝えています。新たな魅力を生み出すMMoPとして再出発土地と建物を御代田町開発公社が取得したのは2013年のこと。その後、旧蒸留所の歴史を尊重しながらも、町と地域企業が協力し、敷地の再活用が進められました。そして生まれたのが現在の「MMoP」です。中心的な施設となったのが、御代田写真美術館。施設名のMMoPはMiyota Museum of Photographyの頭文字から名付けられています。敷地内はこの写真美術館を中心に、緑豊かな景色の中、こだわりのカフェや雑貨店などが立ち並び、訪れる人の五感を刺激する空間となっています。そんなMMoPで楽しめる施設やショップの一部を紹介します。御代田写真美術館 MMoPの代表的な施設「御代田写真美術館」は、画像ライブラリとして知られる株式会社アマナが手がけるアートフォトに特化した美術館。旧メルシャン軽井沢美術館の建物を活用し、内部は白を基調にしたスケルトン構造で、写真作品がより引き立つよう設計されています。展示作品は所蔵する900点から厳選した70点ほどで、蜷川実花氏やホンマタカシ氏など日本を代表する写真家の作品が楽しめます。また屋外の写真展示も魅力のひとつ。特に浅間国際フォトフェスティバルPHOTO MIYOTAでは、建物の中と外で作品が展示され、雄大な浅間山と共に自然の中でアートフォトを楽しむという新しい体験の場となっています。営業時間9:00~17:00定休日水曜日※ 7/1〜8/1の期間、展示入れ替え作業のため休館となります。URLhttps://miyota-museum-of-photography.jp/キャボットコーヴ MUSEUM TERRACE 朝の時間に利用したいのが、「キャボットコーヴ MUSEUM TERRACE」。軽井沢・追分で10年以上愛されてきた朝食専門の人気カフェが、2022年4月にMMoP敷地内に移転・リニューアルオープンしました。エッグベネディクトやパンケーキ、フレンチトーストなど、アメリカ東海岸スタイルに、地元の素材を生かした朝食メニューはどれもホームメイド。追分時代に大人気を博したポップオーバーはこちらでも健在。サイドメニューにぜひオーダーしてみてください。早朝7時から営業しているので、テラス席で緑と空気、朝の光を浴びながら一日のはじまりをゆったり過ごすのにぴったり。11月から3月までは営業開始が8時になりますので、ご注意ください。営業時間4月~10月 7:00~12:00(L.O.) 11月~3月 8:00~12:00(L.O.)定休日火・水曜日TEL0267-31-5950URLhttps://cabotcove.jp/KOICHIRO COFFEE MMoPには人気のロースタリーカフェもあります。ハンドドリップコーヒーに魅了されたオーナーがこだわり抜いた自家焙煎コーヒーの専門店。丁寧に入れてくれるコーヒーは、修行と試行錯誤を重ねてたどり着いたものというだけあって、コーヒー豆本来の甘味や旨味をじっくりとひき出し、体にすーっと馴染むような、飲みやすく体に優しい味わいです。東信を中心としたベーカリーや農家さんのものを使った軽食やデザートもおすすめ。自家製プリンは、固めタイプなのになめらかな食感でファンも多いそう。午後2時から夜7時まで営業なので、夕暮れ時の美しい景色を眺めつつ、コーヒーを片手にほっこりした時間を過ごしたいですね。営業時間14:00~19:00定休日月~水曜日TEL0267-31-0521URLhttps://koichirou.thebase.in/ このほかMMoPには、ステーキハウスやデリとワインのお店、ガーデニング用品やインテリア・雑貨店など、軽井沢らしいライフスタイルに寄り添うお店が揃っていますZEORESORT軽井沢のオフィスから車で15分と近い場所にあるMMoP。別荘建築の打ち合わせや、建築中の現場確認のついでに、ふらりとMMoPへ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。メルシャンウイスキー蒸留所の時代を経て、メルシャン美術館として掲げてきた「自然とアートと食の融合」というコンセプトは、MMoPにも受け継がれています。※写真及び記事の転載不可