ゼオリゾートの生みの親で、ゼオエステート(不動産部門)、ゼオスタイル(リフォーム部門)、NPO法人軽井沢町住環境サポートセンターからなるゼオグループ全体を統括する成國肇さん。今年より自らトップに立ち、建設部門を担うゼオリゾートを新たなステップへと導く成國さんに、お話を伺いました。資産価値を重視した別荘建築―軽井沢では8年前に事業を始めたのですよね。「はい、コロナの前でしたね。最初はグリーンシード軽井沢という全7棟の一棟貸きりのコンドミニアムを手掛けました。当時は一棟貸しという施設がほとんどない時代で、先駆けだったと思います。軽井沢で別荘建築を検討されている方々に対して、体験宿泊ができる施設としても利用しており、コンドミニアムは30坪程度の建物でしたが、気密性・断熱性など機能性の高く、多くのお客様からご注文をいただきました。その知識と経験をいかし、さらに軽井沢の気候風土に合った工法やデザイン、機能性を追求したプロダクトを作ったことで、高額な別荘や大規模なホテルなどもお任せいただくようになりました。」― 成國さんご自身は、不動産業界から建築業へ入られましたよね。「もともとは不動産業から始めて、経営を勉強してきました。不動産だけでなく、ワンストップで受けられることが必要と考え、総合建設業として、土地を販売して家を建てる、そしてリフォームもできる体制を作らなければいけないと考えていました。特に、新築建売事業や中古住宅の買取再販、不動産投資事業などの経験から、建てた瞬間よりも“その後”が大切だと思っています。10年後、20年後にこの建物はどう評価されるのか。売却する時に、資産価値を、根拠をもって説明できるのか。そういう視点は、不動産をやってきたからこそ強いと思います。」―その視点が「資産価値」という考え方につながっているのですね。「そうですね。資産価値という観点から建築を考えるのは、不動産出身だからだと思います。この業界は昔からの慣習によってムリ・ムダ・ムラが多いように感じております。また、打合せ時のイメージと実際の建物とのギャップがクレームに繋がりやすい点、建物の価格や性能の不透明感、各職人による品質のバラつき、デジタル化の遅れ、アフターメンテナンス体制の脆弱さなど、建設業界の多くの問題点にも気づきました。これらの問題を払拭することでお客様と同じ目線で建築を考えることができていると思います。」建築業界の課題を解決する独自サービス―お客様目線が、品質や性能の「可視化」というこだわりにも表れていますね。「建築でも性能や品質を、感覚ではなく数値で示したいと思っています。そのために、私たちは第三者機関による10回の監査を入れています。施工手引書を職人さんと共有し、その通りできているかを第三者がチェックする。是正すべきところが出てきたら、職人さんと話して是正します。その報告書はすべて、お客様にもお渡ししています。また、弊社では全棟で気密測定を実施し、その結果を数値として明確にしています。さらに、点検記録や検査報告書を通じて、建物の品質を客観的に示すことを大切にしています。このような建物は品質が数値によって担保され、それはそのまま、資産価値につながっていきます。」―アフターメンテナンスにも力を入れていますね。「建築は引き渡した後が大切。棟数至上主義ではなく、建ててくださったお客様にどれだけ寄り添えるかを重視しています。ゼオリゾートで建設し、別会社であるゼオスタイルでアフターメンテナンスを行います。現場を担当した管理者のチェックでは判断が主観的になりやすく、担当者を分けることで、第三者の視点から細部まで客観的に建物をチェックし、必要な箇所のメンテナンスを行えるようになります。また、住んだ後に気付く問題点や追加のご要望なども即座に対応できる体制を整えています。」―建築には何よりも職人との関係性も重要だと思います。「私自身が現場に顔を出すことを大切にしています。必ず声をかけて、コミュニケーションを取るようにしています。軽井沢の別荘建築のような作品に携わりたいという本物の職人さんが集まってくれるので、腕前は勿論のこと、皆さんプライドをもって仕事にあたってくれていますね。」2025年10月8日、100名を超える取引業者や職人を迎えて行われたゼオグループの経営方針説明会。業績の説明や表彰式などを行い、職人やスタッフにも同社で働く安心感ややりがいを感じてもらえる機会となった。満足を超える感動を―お客様にサービスを届ける上で心掛けていることは?「お客様が望んでいるもの、言葉にできない思いをくみ取り、その方にとっての本当のベネフィットを形にすることが大切だと思っています。建物の仕様ではなく、そこに住んだらどういうライフスタイルが送れるのか、その価値を伝えたいですね。例えばロレックスの時計は、時間を見るためだけでなく、それを身に着けること自体に意味がある。エルメスのバッグも同様、同じ役割でもやはり違いがある。軽井沢の別荘もロレックスやエルメスと同じように、持つことで得られる価値や誇り、豊かさがある存在だと思います。そこを大切にしたいですね。」―成國さんは「満足を超える感動」というフレーズをよく使っていらっしゃいます。「満足は“期待通り”ですが、感動は“期待をはるかに超えた”時に味わえるもの。言葉にできない想いをくみ取って、具現化することができた時に、初めて本当の信頼が生まれると思っています。建てた先にある暮らし、その人のストーリーを一緒につくりたいと思っています。」―これから軽井沢に家を建てたい、別荘を持ちたいという方へメッセージはありますか。「軽井沢の別荘はこれまで、断熱性能を意識しない、夏仕様のものが一般的でした。私たちはこの地域の特性に合わせた建物を作っているという自信がありますので、夏はもちろん涼しく、極寒の軽井沢の冬でも快適に過ごしていただけると思います。近年は、ウインタースポーツを楽しんだり、落ち着いた雰囲気のレストランでゆっくりと食事を味わったりと、冬ならではの楽しみ方が広がっています。四季を通じて、軽井沢ライフを味わっていただければと思います。軽井沢の風土に相応しく、流行に左右されない美しさと洗練さを備えたDesign、そして妥協のない高いQuality。その両立を、私たちだから実現することができます。」取材を終えてお客様や設計事務所、地元の不動産会社、別荘管理会社からの紹介による受注が9割を超えるという実績は、同社が地道に積み重ねてきた信頼の証だと感じました。新築部門スタッフの平均年齢が37.3歳と、次世代を見据えた体制づくりも着実に進んでいます。創業以来、増収増益を続け、今期はグループ全体で売上高約33億円を見込むなど、事業の成長ぶりも非常に印象的でした。interviewer: 軽井沢新聞社 編集部